消化管のサーカディアンリズム-規則正しい生活の大切さ-
その他私たちの生活に大切なサーカディアンリズム
最近はコロナの影響で在宅勤務や時差通勤、シフト勤務などに移行し、規則正しい生活を維持するのが難しくなった方も多くいらっしゃると思います。
サーカディアンリズムとは
人間の脳内(視床下部の視交叉上核というところ)には、一日周期のリズムをつくる体内時計があります。24時間より若干長い平均24.2時間の周期でこの時計が動いています。これに光や温度、睡眠、活動、食事などの環境や外的要因が加わり、生体に周期的影響を与えていることが、遺伝子レベルでもわかっています。
この周期のことをサーカディアンリズム(概日リズム)といいます。
胃や腸でもサーカディアンリズムの影響を受けます
胃や腸も例外ではなく、胃腸の動きや蛋白質、炭水化物、脂肪、電解質の吸収、腸管免疫などがサーカディアンリズムで制御されています。そのためサーカディアンリズムが乱されると、胃腸の不具合や病気の原因となり、メタボリック症候群、旅行者下痢症、消化性潰瘍、逆性食道炎、炎症性腸疾患、大腸癌で報告されています。これら病気の予防や治療にもサーカディアンリズムが応用でき、たとえば食事を多く取るのは夜間より朝の方が、メタボ予防には良いそうです。
サーカディアンリズムの応用で規則正しい生活を
お腹の健康と免疫力向上のためにもやはり睡眠を十分とり、規則正しい生活を心がけたいですね。
(図も下記より引用)
(Voigt et al. Expert Rev Gastroenterol Hepatol. 2019; 13(5); 411-424)