妊娠と痔
肛門外科妊娠と痔の関係
妊娠中は痔の急性期の症状を軽快させることがゴール
出血や脱出などの症状を呈する痔核(いぼ痔)の腫脹が、妊娠中にみられることは、めずらしいことではありません。とくに妊娠後期により高頻度で認められます。特に妊娠前より痔核がある方は嵌頓(かんとん:痔核が肛門外にとびだしてしまいうっ血して戻らなくなってしまう状態)や大量に出血するなど重症化する傾向があります。出産後はこれらの痔核による症状が徐々に改善することが期待できますので、妊娠中の痔核治療のゴールは急性期の症状を軽快させることです。
さまざまな療法、対策でしのぎます
軟膏や緩下剤(便をやわらかくする薬)などの薬物療法、左側臥位(左側を下側の横向きで寝る姿勢)をとったり、食物繊維の多い食事、便秘予防などでしのぐことになります。
手術の場合は卒乳後に
出産後も症状が改善しないときに、手術治療を考慮しますが、手術は(授乳しておられる方は)卒乳後におこないます。
Lohsiriwat. World J Gastroenterorlogy; 2015; 21(31): 9245-9252