“便潜血検査が陰性なら安心?”

消化器・内視鏡内科

マイクリニック大久保 名古屋の消化器・内視鏡内科

 

便潜血検査について

大腸ポリープ診療ガイドライン2020(日本消化器病学会)では 信頼できる研究論文をまとめて見解を示しています。それによりますと大腸がん検診は 死亡率減少効果が認められ有用です。このため安全な検査でもある便潜血検査がひろくおこなわれています。

 

陰性なら安心?

それでは、便潜血検査で陰性ならどのくらい安心なのでしょうか?

このガイドラインによれば(現在我が国で大腸がん検診として主に行われている)便潜血免疫法2日法の大腸癌の感度は53-100%(研究論文によりばらつきがあります)です。感度とは 大腸癌がある人のうち何人が便潜血陽性となるか、という割合です。これは大腸癌が実際にある方の53%しか陽性に出なかった研究結果もある、という意味です。ちなみに、advanced neoplasia(癌とまではいかないが、10mm以上の腫瘍や、悪性度の高い腫瘍)でみるとその感度は免疫法2日法で29.2%です。

現在の医療では必要な検査

マイクリニック大久保 名古屋院 “便潜血検査が陰性なら安心?” 大腸内視鏡検査は前処置を含め決して楽な検査ではありませんが、癌だけではなく内視鏡的な切除可能な(将来手術治療が必要となるかもしれない)良性腫瘍を早くみつけ処置するためにも、現在の医療では、やはり必要な検査といえると思います。

(参考文献 大腸ポリープ 診療ガイドライン2020  日本消化器病学会)