“十男九痔?” 痔の疫学(えきがく)

肛門外科

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十男九痔

90%の男性が痔持ち?

先日中国人の友人が、中国には“十男九痔”という熟語があると私に教えてくれました。10人男性がいると9人に痔があるといわれているくらい痔持ちの人の頻度は低くはないという意味だそうです。実際のところどうでしょうか?

痔は良性疾患であり、統計調査の対象とはなりにくく疫学(えきがく)については詳細にわかっていませんが、いろいろな報告はあります。

(*ちなみに疫学とは 集団を対象として病気の原因や社会的傾向・影響などを調査研究することです。)

 

痔の種類

痔と一言で言っても、痔には

の3種類があります。

この3つの中でもっとも有病率が高いのは痔核です。

痔核は45歳~65歳に多く4.4-13.3%の有病率との報告があります。男女比はほぼ同じです。

次に多いのが、裂肛で20-50歳代に好発 生涯発症率は11% 大腸肛門専門病院通院患者の10%、女性に多いという報告と男女同じという報告があります

痔瘻は30-40歳代に多く、有病率(欧米)は0.005-0.02% 男:女 比は 2.2~5.7:1 と男性に多い

肛門の症状は決して珍しいことではありません。悩みがありましたら、いつでも気軽に受診してください。

(参考文献 山名 哲郎、 大堀 晃裕:日本大腸肛門病会誌 63:819―825,2010

肛門疾患(痔核・痔瘻・裂肛)・直腸脱診療ガイドライン2020年版、南江堂2020)


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