“じろう”の話
肛門外科痔瘻について
おしりの中に排便をスムーズにするために粘液を出す肛門腺というくぼみがあるのですが、そのくぼみの中に便が入り込んでしまって膿がたまる病気が肛門周囲膿瘍で、皮膚との間に膿がとおる道が痔瘻(じろう)です。膿がたまった場合 メスで切って膿を外に出す応急処置が必要となることもありますし、自然に膿や便が肛門周囲の皮膚から出てきてしまうこともあります。初診時の皮膚のしこりが小さい場合など、膿皮症(皮膚の汗腺の化膿)や粉瘤(あか(角質)が皮膚の下に袋状にたまるもの)とまぎらわしいこともあります。
「肛門記」でも語られている痔瘻
朝井リョウさんの“肛門記” (エッセイ集“風と共にゆとりぬ”内に掲載)を読みました。
朝井さんご本人の痔瘻の診断から手術までの経過が詳細に面白く(?)書かれています。朝井さんの場合も最初は粉瘤と診断されていたようですね。
再発の多い痔瘻
痔瘻の場合は再発することが多く、痔瘻根治術があらためて必要となります。
(朝井リョウ 風と共にゆとりぬ 2017(図の引用含む))