呪文で痔を治す-ブッダの教え-
肛門外科はるか昔からある痔の悩み
人類は昔から痔に悩まされてきました。もともとサンスクリット語で書かれた“療痔病経”という呪文による痔の治療を主題とした仏教経典があり、チベット語訳や漢訳されて伝えられています。
ブッダは薬と呪文の対処法を説いていた
ブッダは紀元前6世紀ごろの人とされていますが、弟子の僧が痔になり爪で患部を割り痛み苦しんでいるのをみて、痔を治す方法は二つ、薬で治療する方法と呪文によって治す方法だと説いて、切除を禁じていたそうです。
現在の痔の治療
時は飛んで、現在の痔の治療についてお話します。当院では保存的に軽快しない症状の内痔核について、ALTA療法(内痔核硬化療法)を行っています。中国伝統医学で用いられていた消痔霊を製品化したしたもの(ジオン注)を内痔核に注射する治療です。また痔瘻や大きな外痔核などは(ブッダの教えにどおりとはいかず)外科手術が必要な場合もあります。
参考:(山中行雄他 日本医史学雑誌 Vol. 58-1 (2012) 39-51)