トキソプラズマのホスト(宿主)の利用の仕方
その他ウイルスの感染経路や増殖の仕方
コロナウイルス流行により、ウイルスの感染経路やホスト(宿主)を利用した増殖の仕方について注目されていますね。
トキソプラズマという原虫がありこれもホスト(宿主=この場合猫)に寄生して繁殖します。トキソプラズマの繁殖の作戦についてお話します。
トキソプラズマとは
トキソプラズマは猫の消化管の中でのみ繁殖可能で、猫の糞便中に出てきます。ヒト(胎児)への感染の可能性もあるため、妊婦は猫の糞便にさわらないよう注意を受けます。
トキソプラズマの生き残り作戦
猫の糞便中に出たトキソプラズマがどうやって再度猫の消化管にもどって生き延びていくのでしょうか?普通ネズミは猫を嫌いますからそうそう猫に食べられることはないのですが、これではトキソプラズマは絶滅してしまいます。なんとトキソプラズマに感染したネズミでは脳の特定の領域にトキソプラズマが侵入して、猫の尿の匂いを好んで猫に寄っていくようになるんだそうです。トキソプラズマが感染したネズミは猫に食べられやすくなる。そのネズミを猫が捕食してトキソプラズマが繁殖する。狡猾ですね。
(腸と脳:エムラン メイヤー高橋洋訳 紀伊国屋書店 2018)